「大胆に、仕上げは繊細に」でも…


 シンプルさと重厚感を併せ持つ陶器は、生活のさまざまなシーンで大活躍。オリジナルの器を自分の手で作ってみたい―。常陽ウイークリー編集スタッフが、笠間市笠間の笠間工芸の丘・ふれあい工房で、ロクロを使った陶芸に初挑戦した。インストラクターがサポートしてくれるので、気軽に楽しめる。春休み間近、親子でチャレンジしてみては。
 大切なのは、作業を始める前に作りたいものをイメージすること。焼き上がると一回り小さくなってしまうため、大きめに仕上げることがポイント。
 インストラクターの大野和世さんから手順の説明を受ける。「大胆に、そして仕上げは繊細に」のアドバイスを胸に、さっそくスタート。
 ロクロは1人1台。ドキドキしながらロクロの前に座る。右足のペダルをつま先側に踏み込んでロクロを回す。スタート時はやや早めに。手を水でぬらし、目の前の粘土をやさしく包む。思った以上に柔らかくしっとりした感触。回る姿はまるで生き物のよう。
 緊張のあまり、つばを飲み込む。両ひじを太ももの上で固定し、粘土の中心を両手の親指で押さえ穴を開ける。徐々に力を入れて穴を深くする
 ロクロは回り続ける。「あっ!」表面側に指の形のくびれができてしまった。ショック! すると「親指以外の指に力を入れるとくびれてしまいます」と、大野さんがやさしくサポートしてくれた。慎重になりすぎて小刻みに震える手で恐る恐る粘土に触れると、思いも寄らない微妙なくびれが表面に出てしまう。なるほど大胆さも必要だ!

 大きく深呼吸をして再び粘土に向かう。穴の深さとふちの厚さを決める。左手で支え、右手をふちに当て、2〜3mm程度に調整。右手を穴の中に入れ、左手を外側に添えて挟み、ゆっくり上に向けて動かし、全体を同じ厚さに整える=写真(2)。ロクロの回転と手の動き、力の加え方が微妙。

 時間も仕事も忘れ、無我夢中。いびつではあるが、イメージに近づいた。いよいよ仕上げ段階へ。中に溜まった水をスポンジで吸い取る=写真(3)。水をそのままにしておくと、ひび割れの原因になるらしい。底が平らになるように、上からスポンジを押さえ付ける。側面の水分もふき取る。


 切る位置を決めて右手の人さし指のつめの角で印を付ける。さあ、ここからが勝負! ロクロの回転をゆっくりにして、糸の端と端を持ってぴんと張り、印に糸を入れる。左手を離し、糸が交差したら切る作業は完了=写真(4)。しかし、この糸切り作業がなかなか難しい。糸を差し込んだ瞬間、気が抜けて左手を離すのを忘れたり。失敗を繰り返すたびに大野さんに救いを求め、何とか完成を迎えた。

 汗だくで作り上げた作品は、どうやら作り手の性格が表れるようで、おおざっぱな仕上がり=写真(5)。しかし、自分で苦労して作成しただけあり、愛着がわいてくる。「体験して楽しく、出来上がってうれしいものですね」と笠間工芸の丘の岡野正人さん。「焼き上がりが楽しみだなあ」。
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 体験は1人1時間45分ほど。約2・5kgの粘土を使って自由に作れる。焼きたいものと色を選ぶことができる(有料)。工芸の丘ではそのほか、フュージング、シルバークレイアートなど、家族で楽しめる体験教室を開催している。月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始休館。
tel0296・70・1313
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