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経済評論家 小倉 豊
コンビニ深夜営業が文明論争に
温暖化対策から大展開か?
すっかり日本社会に定着したかにみえるコンビニエンスストアの24時間営業だが、一部自治体が現状に異論を唱えている。火付け役は、温暖化防止の国際的取り決め「京都議定書」が定められた京都市。深夜に煌々と明かりを放っているコンビニが営業時間を短縮すれば、二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの削減につながるというのだ。すぐに同調したのは埼玉県、神奈川県で、東京都や横浜市も同じ考えを匂わせている。コンビニ関係の団体は「魔女狩り」的な論議の広がりを恐れて反発する。これに対し、町村信孝官房長官が「低酸素社会の実現は大量生産、大量消費を切り替える生活革命だ」と営業短縮論を後押しするなど、議論の幅が思わぬ広がりを示すかもしれない。

主要コンビニが加盟する日本フランチャイズチェーン協会は、深夜営業をやめても冷蔵・冷凍機器は動いていることなどから、仮に、午前7時から午後11時に営業時間を規制しても、日本のCO2排出量の0・01%削減にしかならないと主張する。さらに、深夜に犯罪に巻き込まれそうな時に駆け込める防犯拠点でもあるし、防災の役割も果たせると風呂敷を広げた。

ところが、身内からコンビニ運営のあり方を見直すべきだとの異論が飛び出す。商標使用権を得て、商品供給などを受けながら実際にコンビニの店舗を経営しているフランチャイズのオーナーの協会が、深夜営業は実は儲からないし、強盗には常におびえている、深夜アルバイトの確保にも苦労している、などとして深夜営業自粛論に乗る構えを見せたのだ。

また、コンビニ業界サイドが、防犯、防災拠点としての潜在的な貢献を主張すると、自治体側は「CO2削減には夜型から昼型への市民の生活スタイルを変えることが必要」(門川大作京都市長)であるし、強盗だけでなく深夜に青少年のたまり場になったりする(松沢成文神奈川県知事)と、防犯論を退け、社会の健全性の維持にもマイナスの影響を与えているとの主張を展開する。

主張の幅はさらに広がり、町村官房長官は深夜のテレビ放送自粛に前向きだ。石原慎太郎東京都知事は、深夜のネオンサイン、自動販売機も問題に浮上していると指摘した。ただ、石原都知事は一連の問題にどう対処するか「もう少し世論を確かめる必要がある」とも語っている。

コンビニ業界も幅広い消費者のニーズを重視すべきとの立場。それを考える取っ掛かりが長野県軽井沢町にある。富裕層の避暑別荘地として名高い同町では、コンビニなどに「夜の静謐を守るため」という名目で深夜営業の自粛を求めている。なかなか難しいことだが、いわば「土地柄」によって深夜営業のニーズのあるなしや、青少年の育成に悪影響を与えていないか、治安はどうかなどをよく見極めたうえで、それぞれの対応が必要ではないだろか。フランチャイズのオーナーが指摘するように、業界としても立地条件、経営環境をきちんと点検して、深夜営業が必要ない店は時間短縮することも必要だろう。

コンビニ深夜営業のニーズをまじめに調べ、論議することで、自販機、テレビ放送、ネオンサインなども含めて、生活スタイルのあり方にまで社会の関心が及ぶとすればおもしろい。自粛論者の自治体のお偉方には、みっともない魔女狩りで事を済ませることがないように望みたいものだ。


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