|
|
| |
|
|
|
| ガソリンや食料品の値上げラッシュが続く中で、家計の消費節約志向が一段と強まってきた。スーパーでは家庭菜園用の種苗が飛ぶように売れる一方、外食店の売り上げは落ち込み、好調だった自動車販売(5月)も大幅マイナスに転じた。値上がり商品の買い控えだけでなく、今後は不要不急の支出を切り詰める「生活防衛」型消費が主流となりそうだ。 内閣府の景気ウオッチャー調査(5月)によると、街角の景況感指数は2カ月連続で悪化。消費者の購買意欲は一段と低下し、「必要最小限しか買わない傾向が顕著」だという。特に暫定税率復活に伴うガソリン再値上げの後、消費者の買い控えが目立っている。総務省の家計調査(4月)でも、世帯当たりの食料支出は前年比マイナス、外食や衣服、家具などの減少率が高い。最近では、自動車を手放したり、リース方式に切り替える人も増えている。 「節約消費」が広がり、消費者がモノを買わなくなればどうなるか。国内消費は一段と冷え込み、成長の足を引っ張ることは間違いない。堅調だった企業部門も、輸出の減少から生産、投資が低下し始め、一方で原燃料コストの増大に苦しんでいる。足元の国内消費の低迷は企業業績悪化に追い打ちをかけ、景気後退につながる公算が大きい。 1バレル=130jを超えた原油高は、背景にある世界的な「投機」マネーを規制できない現状では、高値は当分続くとみた方がよい。今は、多くの企業がコスト増を我慢して値上げを抑えてはいるが、いずれ耐え切れなくなる時が来る。となれば、政府による価格抑制や需給緩和策が当然必要となるが、福田内閣に今のところ有効な処方箋はない。 例えば、過去1年で2倍に跳ね上がった原油価格について、政府保有の備蓄原油を放出すれば、一定程度の水準に抑制できるはず。「有事備蓄」という建て前はあるが、国民生活優先を考えて検討すべきだろう。輸入小麦高騰では、日本の米食奨励策を考え、例えば学校給食をパン食からすべて米食に切り替えることなどを考えてはどうか。要は、政府が前面に立って「市場の失敗」を正す財政的な価格抑制策を打ち出すことが必要なのだ。 とはいえ、政府は「物価は安定している」として、おそらく有効な対策を採ろうとしないだろう。ガソリン価格より暫定税率を優先し、消費税増税を考える「財政主義者」には、先行きの物価高は見えない。しかし、「原油150j時代」は目前。企業も「競争」というタガが外れれば、一斉に値上げに向かうだろう。日本もスタグフレーションの時代(景気は悪化)がやがて来ると考え、国民は「生活防衛」のための選択的消費をしっかり心掛けておく必要があるだろう。 |
|