![]() ホソダ興産株式会社 細田健(ほそだ・けん)さん |
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ワクワクする不動産屋
父が二十五年前に、分家として起こしたのがホソダ興産。ということは、ホソダ興産株式会社・代表取締役の細田健(一九七九年生まれ)は、三代目ならぬ二・五代目といった感じか。 大学は、教育学部で、「人と接して、いろいろ教える、コンサルティングのようなことが好き」だという。そのまま、熱血教師にしたいキャラクターである。常磐大学在学中に、水戸に何か足跡を残したいと、JR水戸駅の清掃を買って出た。最初は、申し出ても相手にされなかったが、何度も駅長室を訪ねてやっと受け入れてもらい、週二回二年間。卒業時には、JR東日本から感謝状までもらった。 そして、在学中にもう一つ大きなマイルストンを打ち立てた。茨城県内の九大学の有志に呼びかけ、『学生交流・茨城』を設立。毎回四十人程度が集まり、大洗海岸などの清掃ボランティアを成功させたのだ。 茨城県は、実に広く、平野面積は、北海道を除けば日本一。東京六大学のように気楽には集まれない。当日果たして集まってくれるかどうか心配であったが、結集した時は、思わず「集まってくれてありがとう」の言葉が突いて出た。ミーティング用に、会議室を貸してくれた茨城県信用組合にも感謝した。 きっかけは、つくば市の実家に帰ってくる度に、コンピュータのソフト開発のアルバイトで会社にやってきた筑波大生と接して、全く文化が違うのを肌で感じた。いろんな大学が集まって何か活動できれば、きっと楽しいだろうと考えたからだ。その時の幹事たちとは、いまだに同窓会を開いたり、交流が続いている。 以前、都内の大手企業に勤務していた姉が、体調を崩して入院した際、家族で見舞いに行ったが、病院に「付き添いの方の宿泊スペースは無いので夜は帰ってくれ」と言われた。心配で離れがたい家族は、一体どうしたら良いのか途方に暮れた。 この時の苦い経験から、父親が、筑波大病院やつくばメディカルセンターの患者の家族にもきっと同じ問題が発生していることだろうと考えて、短期滞在用の宿泊施設を作ったのが始まりだというウイークリーマンション事業。 もし、一人でも、このウイークリーマンションで助かったと言われればそれでいいということで、バブル崩壊の後遺症に悩むマンションの空き部屋を、大家と交渉して安く借り上げてスタートした。しかし、宣伝が上手く行き渡らず、鳴かず飛ばずの厳しい船出となった。 (後半に続く) ワクワクする不動産屋
空き部屋から、アパートの周りの草刈りまで、学生時代のアルバイトやボランティアで鍛えて、腕前を発揮した。 また、外仕事ができない雨の日には会社のホームページを更新し始めた。試しに、空きっぱなしのウイークリーマンションの紹介を出してみたら、これが呼び水になりネットから予約がどんどん入り始めたのである。 これが功を奏してか、細田は、二年目からは、いきなりホソダ興産株式会社・代表取締役に就任。「自分も若いころから、苦労して事業をおこしたから。お前もガンバレ」と、父は会長に退いた。 現在では、学生時代を過ごした水戸地域や、北関東エリアにウイークリーマンションのネットワークを拡大中である。 「不動産業は、簡単に見えて奥が深いんです」と、細田は、あどけなさを残す童顔で、渋いことを言う。 不動産は、投資対象でもあるが、一方、人が生活していく上で最後の砦ともなる。家賃が払えない人は、遠慮なく追い出す保証会社に管理を委託するのが主流の時代、ホソダ興産では、入居者との触れ合いを重視している。 「先代は生活が苦しいと聞けば、米を持っていったり、みそを持っていったりしてきた。仕事がないと聞けば、自社の清掃業務を入居者に斡旋したりもしてきました。また、家賃を滞納していても、入居者の事を思ってアパート周りの草刈りをすると、直後に家賃が振り込まれた事もあった」という。 中には、夜逃げという事態に遭遇したりもする。その際も、いきなり残った荷物を処分せず、しばらく保管しておくのだという。 利回り至上主義では解決できない側面を充分知ってこそ、無借金経営の不動産業が成立しているのかもしれない。 「夢は?」と、ありきたりの質問をぶつけると、「常磐線とTXの間にもう一本鉄道を引きたい。TXの料金が高過ぎるので‥」と、この青年社長は、スケールの大きな答えを返してきた。 一方、社会人になってからも、清掃ボランティアは続けており、毎年、土浦花火大会後の清掃活動を地元高校生と行っている。こんな本格的な若手経営者が、育ってきたということは、そろそろ、つくばの街が自立し始めた証左かもしれない。 (花山 亘 筑波大学非常勤講師、NPOつむぎつくば理事、文中敬称略) 【事業概要】ホソダ興産株式会社 http://www.hosodakousan.co.jp/ 所在地:〒305―0051 つくば市二の宮2―12―17 TEL:0120・255・617資本金:9千万円 設立:1984年1月 代表取締役:細田健 事業:賃貸事業部=経済状況や日常の生活にできるだけ負担を掛ける事無く希望するグレード、間取り、場所にあった賃貸物件を提供。短期賃貸借事業部=希望場所や予算、利用期間に合わせて利用できる便利で綺麗で快適な施設を提供。土地建物不動産部=その物件を持っていても負担にならず将来的に経済的にも心情的にも豊かになれる不動産を提案。 | ||
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