![]() NPOプラザ・ねこねっと 代表理事・稲葉淑江さん |
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「命と生活」とNPO
稲葉は、二十三歳で大規模な専業農家に嫁ぎ、実家でやっていたトマトの栽培などを嫁ぎ先で始めるなど、積極的な農家の嫁であった。子供の就学でPTA活動が始まった。会合の後、ファミレスで繰り広げられる母親同士のグチ話は、楽しい井戸端会議だった。 ある時、別れ際に稲葉に近づいてきて、夫の暴力で傷だらけになった腕を見せながら、コッソリ打ち明けて、頼って来る農家の嫁がいた。DVに近いような人権無視の酷い目にあっていても、子供のために我慢しているのである。農村地域では、情報的に孤立していて、どこに相談に行ったら良いか、解決の糸口を知っている人は少ない。 情報隔離のうえ、お風呂の順番まで決まっている封建的な厳しい風土。比較的オープンな稲葉の嫁ぎ先とは異なる「外に出してもらえない」農家の嫁の実態を知りショックを受けた。家庭教育をとおし人権問題等の自主講演会を開催。 一九九五年、竹下内閣のふるさと創生事業で、筑西広域市町村圏事務組合が開催した人材育成事業『筑西ふるさと塾』に参加した。佐藤守弘筑波大教授(現在、常磐大学人間科学部長)塾長のもと、月一の勉強会。国内は群馬県の新治村を、国外はオランダとベルギーを視察。ベンチャーや地元起業家十七人が参加した。 「スゴイ経験だった。そこが、始まりです。農家の嫁の悩みを他の業種の人にも聴いてもらった。ここが、私が街づくりに目覚めた所」。塾終了後も、活動は続き、九八年にNPO法ができた時、このメンバーに働きかけで『県西NPO研究会』を作った。 さらに、『県づくり千人事業』で、ターミナルケアやホスピス等の医療・福祉を学んで提言した。『茨城県青年の船』で、上海に青年三百人と育成者百人で訪ねた。講師として、課題解決する手法としてのNPOの重要性を説く自主講座を開き、青年たちにNPOを紹介。 そして、二〇〇一年、『特定非営利活動法人NPOプラザ・ねこねっと』設立。市町村合併の長期総合計画の中での市民参加についてなどNPOに関する情報誌を作った。また、常陽新聞の『視点』に女性の視点で、協働や市民参加などNPOについて一年間連載。個別の取り組みに入る前に、理論を理解し現場と行政をつなぐ役割、協働コーディネーターとして中間支援が必要であろうと考えた。グループホームの『鳩ぽっぽ』やごろすけ山の里山保全。福祉施設に務めていた夫婦が始めたレスパイト・サービスなど多くの活動を応援。 身障児・者やその家族への生活支援を行うレスパイト・サービスのように、「命と生活」にかかわる市民サービスは、現状は市民ニーズにマッチせず行政サービスとして手の届かない問題点が数多くある。そこで、公益サービスの担い手として社会的信用の持てるNPOを増やし、問題解決の一手段としてNPOを普及している。 思い余って九九年統一地方選挙に無所属で立候補。選挙公約には、NPOを促進するための土壌づくりをしたいと入れた。「とにかくNPOを広げたかった。地域のお母さんたちの問題を何とかしてあげたかった」 八三七票で落選したが最下位ではなかった。「三千軒以上、独りでテクテク歩いた。いろんな人の話を聴いて、勉強になりました」と振り返る。 今、つくば市と提携して全天候型の施設『つくばサイエンス・キッズプラザ(仮称)』を計画中。つくばの各研究施設の研究内容を子供向けの遊具として開発し、一元化したものを設置する。科学の目を育むとともに、安全に子育てできる場所を提供したい。暮れに、つくば市春日へ活動の拠点を引っ越した。新年から、稲葉のつくばでの活動が本格化する。(花山 亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略) 【法人概要】つくば市春日2の17の7アーバンハイツ1―2。電話・ファクス029・854・0311。1998年設立。NPOの啓蒙、啓発活動。NPOなど活動団体の紹介、PRする場所の提供。ネットワーク・コミュニケーションを図るコーディネート活動。支援情報誌やニュースレターの発行。イベントやフォーラムなどの開催。http://www4.ocn.ne.jp/~neconet/ | |
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