![]() 株式会社アドバンジェン 代表取締役 伊藤徳家さん |
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現代版『不老長寿』を夢見て
産総研の年齢軸生命工学研究センターの研究者たちが、旧・工技院の生命研時代から「長いこと未踏の領域として残された生命現象の年齢軸恒常性制御機構の統合的理解と得られる知識の応用を探求する年齢軸工学の開発」に拠って得られた、知的所有権と研究成果を、加齢性疾患を標的とする創薬に活かして商品化する。アンチエイジングつまり現代版の“不老長寿”メカニズム研究から得られた特許技術を、薬品や化粧品として世に送り出そうとする、産総研発のバイオベンチャーが、アドバンジェン社なのである。 創業支援をしたのは、株式会社バイオテック・ヘルス・パートナーズ代表取締役の松本竹男だ。松本は、日本油脂・筑波研究所をスピンアウトして、日本発のバイオベンチャー育成のために起業したベンチャーキャピタリスト。つくばで最初に手掛けた案件が、このアドバンジェン社であった。会社経営のためのヒトもカネも出してきた。商品化が見えてきた最終段階で、松本が白羽の矢を立てたのが、今回の主役、伊藤というわけだ。 薬品業界は、新薬開発費の高騰に伴い、今や、激しくM&Aが繰り返されている。伊藤は、先んじて、幾つかの製薬メーカーを渡り歩き、「創薬研究」「開発研究」「生産研究」「臨床研究」「申請業務」の全く異なる、薬品誕生までの五つのステップを全て踏んできた。同社の「偶然性に頼るのではなく、科学的合理性に基づき、あらかじめ戦略的に狙った、つくば的な科学性のある商品開発」に、伊藤は、強い自信を持っている。 ヒトの髪の毛は、約十五万本。六年間延び続ける。一日数十本抜ける。抜ける方が、生えるのより多くなると禿げる。FGF―5というタンパク質が過剰に発生すると、この毛周期が短くなる。このFGF-5を抑えるFGF―5Sという物質を開発。その構造に近い天然物の探索に成功した。「これを用いたOEM商品のヘアケア製品を五月発売。次いで、バイオベンチャーでは滅多にないが、『医薬部外品製造販売業』を取得し、オリジナル育毛剤も半年後には発売」。ツクバブランドで、地元の美容院などから流通させる。高齢者だけでなく、若年層に向かって「今ある毛を、もっと元気にしよう」との需要喚起も目指す。 これだけではない。寝たきりで過ごす平均期間は、日本では約六カ月。ベッドの上で動けなくなることは、現代人にとって最大の恐怖である。そうなると、床擦れが起こる。いわゆる褥瘡(じゅくそう)の創傷治療には、表皮細胞の再生は非常に重要。従来創傷治療薬として利用されてきたFGFGF―2は真皮細胞を活性対象としており、表皮細胞には直接作用しない。一方、アドバンジェンの用いるFGF―1は表皮・真皮の両方に直接働きかける強力な増殖因子なので創傷治療薬として最適という。高齢化を直視した同社の創薬は、まだまだ続く。 写真の通り、まだ、髪もフサフサの伊藤のモットーは、「オープンにフェアーに、そして価値を見出す、好奇心」。有機化学の専門家として外資系薬品会社に就職して、万博直後のつくばに居たこともある。子供はつくば生れだ。つくばを去る時、もうこないと思ったが、今、つくばに単身赴任している。十七年前に比べると、成熟し、人間味溢れる街になった“つくば”に、また、家族で住んでみたいと言う。(花山亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略) □ 【会社概要】本社・つくば市東1の1の1産総研つくば中央 第6事業所内。2002年2月創業。資本金:1億1034万円。最新バイオ技術に基づくヘアケア・スキンケア製品の開発。http://www.advangen.co.jp/ |
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