![]() ヘレナメディアリサーチ 代表取締役・井上正美さん |
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ビジネスとは自分の価値の確認
無理だと諦めかけたが、主婦の井戸端会議に駆け寄って、開校したばかりの子供向け英会話スクールのパンフレットを片手に、汗をかきながら夢中で説明した。とにかく、「いいんだから入ってください」という正面突破が功を奏し、通常、月に生徒二人が平均的な成績なのに、いきなり三人獲得の驚異的な成績をあげてしまった。オーダーシートを持って帰るたびに、持ち上げられて、それが、幸か不幸か、英語講師ではなく、ヘレナ英会話スクールの営業部長になるきっかけ。五年間で、十九教室まで増やした。不動産の契約から、開校まで。童顔では、足元を見られるため、髭を生やした。 同校の新事業として、「録音テープではなく、ビデオで教材を作れば、成功するだろう」と、社内ベンチャーとしてヘレナビデオリサーチ社を設立し、事業部長としてやっていた。ハードが普及していないので、教材ビデオが売れない。当時一台五十万円のビデオデッキを担いで、一緒に売って歩いた。一台でも普及させようというのが、会社の方針。そうしないと、ソフトのマーケットもできないからと。 英語教材だけでは食べられないので、高校野球、バレー、日本舞踊、ブライダルまで撮影対象にしてやっていた。一九八三年、「二十代で、でかいモノを起こす」の決意通り、株式会社ヘレナビデオリサーチとして、二十九歳で完全独立した。一九九一年、株式会社ヘレナメディアリサーチと社名を変更。現在は、映像だけでなく、ネット、印刷関連等、全てのメディアをカバーする。インターネットの次のメディアが来れば、それをやる。最近では、商品の説明ビデオを手掛け、マーケティングからマーチャンダイジングまで意識した、戦略的なコンテンツ製作を始めた。新しいことを始める時、まだ、周りで誰もやっていない分野にいち早くトライする時、非常にやりがいを感じ、ワクワクする。 一方、新規事業には、出くわしてみないと判らない苦労がある。「受けるリスクは非常に高い。ネット時代の黎明期には、サーバが止まるんじゃないかと、不眠症になった」。サーバ業務を、大手の専門業者に預けて、やっと眠れるようになった。 独立した当初は、既存事業のソニーショップを運営していた。中一の男の子にウォークマンを売って欲しいといわれ、カタログを自宅に届け、選んだから来てくれといわれる。一万八千円の商品で二千円の利益をやっと得た。「虚しくなった。自分の価値が二千円か」と。効率的な専門の電器店ならいざ知らず。 翌日バッタ屋を呼び、商品在庫を全て処分。その資金を元手に、最新の放送機材を揃え、本格的な映像スタジオを作った。コンテンツ製作一本でやることにした。 「食えなくてもいいから、ここが勝負だ」。ハード混在からソフト集中へ大転換。「ビジネスというのは、自分の価値の確認なんですね。これだけです。お金ではないところも含めて、人間的評価、対外的評価も含めて」。 井上が、社内ベンチャーから独立したころは、ベンチャー資金の投入など、そうそう考えられない時代。事業拡大は一年に一人ぐらい社員を増やす程度。現在は、つくば発のITベンチャーの連携強化を目指す。『つくばITフォーラム』五十社の代表幹事。他社を利するのに、どうしてやるのか?「それは違う。時代が変わった」と地域連携の必要性を主張する。(花山亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略) 【会社概要】本社・土浦市真鍋3の2の5。電話0298・22・9601。1976年創業。資本金・1000万円。ビデオ・DVD・CD―ROM製作。インターネット関連製作。イベント・国際会議企画運営。印刷・出版・翻訳。 http://www.helena.jp/ つくばITフォーラムhttp://www.tsukuba-it.jp/ |
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