![]() ユーワークス 代表取締役・宇田渉さん |
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父の教えてくれた数式が会社に
今では、このアルゴリズムの善し悪しがプログラムのデキを決定づける。つまり、IT社会の生存競争は、卓越したアルゴリズムを標的に展開されていると言っても過言ではない。 株式会社ユーワークス・代表取締役の宇田渉(1979年生れ)が、最初にアルゴリズムに出会うのは、岡山中学に入学した時であった。パソコン同好会の顧問教官だった物理の教師が、物性シミュレーションを行うために、趣味で実験室に置いていた一台のマシンを、部員たちが恐る恐るいじり出した。が、当時は、プログラムが無ければタダの箱。一年で一本のアクションゲームのプログラムを書き上げることを同好会の目的として、パソコンのハードウェアマニュアルを読みながら、アルゴリズムの意味と勘所を仲間と体得して行った。 C言語と言われるプログラム言語を習得した中高一貫の高二の夏休みには、東工大・大岡山キャンパスで行われた、クレイ・リサーチ社の『スーパー・コンピュータ・コンテスト』に同好会の仲間と参加。プログラム言語でしゃべり出すようなトンデモナイ連中と出会った。 二年連続で出場して、最も合理的なアルゴリズムを探索するコンテストの実績が評価されてか、筑波大には、推薦で合格。早々と、合格を決めた宇田は、アルゴリズムを武器にアルバイトに明け暮れた。地元広島県福山市の半導体メーカーで、ファクトリーオートメーションの走りのようなプログラムを組んだ所、実用レベルで工場を動かした。マニュアルまで書き上げてすっかり自信をつけた。 インターネットで知り合った、フリーの大物プログラマーから仕事をもらい、意気揚々と東京に出てきて、筑波大の入学式まで、マルチメディアのCD―ROMパッケージの製作を手掛けた。この時、この大物プログラマーから言われた、痛い一言が宇田を変えた。『プロは、もらった金額だけ仕事をするんだ』。 「後ろから突然、殴られた感じだったが、それでも素直に納得できた」。それからは「凝りに凝って自分の技術を披歴するのではなく、お客さんの視点で仕事をするようになった。多分、これで、私はアマチュアから抜けられました。プログラムに対して冷静になれた」。筑波大で『自立型ロボットコンテスト』に没頭しながらもプログラミングのバイトは、続いた。 (独)食品総合研究所室長の杉山純一、そして、計測のメック社との出会いの中で、トレサビリティーの中核システム『青果ネットカタログSEICA』の構築を担当することになった。その後も、永年、研究機関に測定器を開発・販売してきたメック社の社長、宇田の父親の歳である稲田廣人が、いろいろ教えてくれた。そして、大学三年の2001年の2月、友人と二人で、天久保のメックビル内のインキュベーションオフィスに会社設立。「携帯に転送させて、授業中でも設立時の重要な電話ですから出ていました」。 基本的には営業を置いていないので、来た仕事をこなしていたら、現在のような業務になって行った。つくばにこだわったのが良かった。「非常に人に恵まれて、畑は違うけど、研究者と話してみると、やっぱり頭がいいなと思う人が多い。自分が作ったソフトで新しい研究成果が出るのは、面白くてしょうがない。毎回新しい試みで、たまらない」 「自分の周りで楽しくなさそうな人がいると嫌なんです。なんで楽しくないのか、もしかして、自分が原因かもしれないし、自分がその原因を取り除く立場なのかもしれない」。その責任を果たしていきたいと。「わたしの部屋の向かいが、離れの『塾』で、数学を教える父の声を子守歌にしていました」。父の教えてくれた、数式が、今、会社になった。(花山亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略) □ 【会社概要】本社・つくば市妻木416の4。2001年2月創業。資本金:1000万円。コンピュータソフトウェアの設計および開発。http://youworks.jp/company/ |
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