![]() インフォジーンズ 代表取締役・丹治雅夫さん |
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「全てのアイディアを試せ!」
そもそも丹治は、日本一と呼び声が高い「常陸秋そば」の在来種で有名になった「金砂郷」生れ。中学、高校と水戸の茨城中高に進んだ、生粋の茨城県人だ。「わたし、昔から、茨城に関しては、どうにも手が出ません。保守的な県ですから…」。軽妙な語り口には、「たんぱく屋」というパスポートを片手に世界の研究室を渡り歩いてきた男の自信が垣間見える。 ニューヨーク州保健省に勤めていた時、ハドソン川のPCB汚染が大問題になっていた。GEが流したものだが、即座に、ニューヨークの人が死ぬわけではない。最近「環境ホルモンは問題無し」との論調が増えてきているが、五十年前には少なかった乳がんが、欧米で7人に1人、日本でも35人に1人の罹患(りかん)と、急増してきている。特に日本での増加率は著しい。因果関係がつかめないが、石油製品の影響を考えなければならない。 東大では生化学を専攻し、たんぱく化学で博士号取得。テキサス州立大医学部では脳の働きをたんぱく質レベルで研究。ニューヨーク州保健省時代は、ヒトの体に備わる乳がんを防御するたんぱく質を調べた。子供の小学校入学を機に、46歳で日本に帰国を決意。研究者として産総研・特許生物寄託センターに勤務。ニューヨーク時代からのテーマ「乳がん発生を血液レベルで防御するシステム」を引続き研究していた。 産総研で乳がん診断や環境ホルモンを分析評価する画期的なDNDチップを開発したばかりの木山亮一を紹介され、今度、会社を創ると言うので「頑張ってください」と応えていたら、いつのまにか自分が社長をやるハメになった。製造部門を持っていないので、三菱レイヨンとアライアンスを組んで、DNAチップを製造している。 遺伝子学の権威で副社長の木山がチップ、細胞側を丹治が担当。DNAチップでは、画像の統計的処理で、不可能と言われてきた「エストロゲン活性」を測定し再現性も確保。何本か論文を出したが、まだ信じてもらえない。最近、海外の学会などに頻繁に顔を出して宣伝している。 また、女性ホルモンのエストロゲンに作用が似ていることから「植物エストロゲン」と呼ばれる有用物質の分析にも、インフォジーンズ社のDNAチップ「エストロアレイ」が有効と分かり、この分析システムを活用して、効能があるとされる植物エストロゲンの健康サプリメントの商品化を企画中。 まず、可能性の高い亜熱帯の沖縄で植物探索して、乳がん予防、育毛や骨粗しょう症防止の特効サプリメントの材料を、一つでも見つければ、特需が生れる。製造現場を持たないので、沖縄の現地企業と組んで、事業展開したいとの夢を持つ。 「考えられる全てのアイディアを試せ!」が座右の銘。「アイディアを絞り出し、片っ端から実行していくと、大抵、何とかなる」。研究成果を直接、社会に役立てていくため、ベンチャー起業をしたいと考えていたが、いきなり丹治のもとにチャンスがやって来た。 「ベンチャーの社長を引き受けたのには、若い研究者の活躍の場を創り、応援したいとの考えもありました。分からないことだらけだが、しゃべるのは好きですから営業もやっています。ベンチャーの意義は、儲けだけではないと思う。自分の能力を人の役に立てたい。帰ってきた利益で、研究をさらに発展させたい」。自由民権運動の立役者で茨城高校の創設者・飯村丈三郎の教えをそのまま実現する水戸っぽが、つくばにいた。(花山亘 つくばベンチャー協会事務局長、NPOつむぎつくば理事、敬称略) 【会社概要】本社・つくば市東1の1の1産総研中央第6棟。2002年2月9日設立。資本金・1億1500万円。事業:エストロゲン活性の検出評価のためのDNAチップの製造販売、それらを用いた環境ホルモンの受託解析。「植物エステロゲン」を応用した健康サプリメントの開発。http://www.infogenes.co.jp/ |
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